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第1315回 ナナとソイカとパタヤとオカマ3 by 金糸蝶
2007年9月

■パッポン・タニヤ

タニヤ通りを初めて見たとき、日本人のスケベ根性を垣間見たような気がした。通り全域に日本語の看板が立てかけてあり、日本人にロックオンすると奇襲攻撃をしかけてくる。昔、歌舞伎町の呼び込みは病的にしつこかったが、それに匹敵する呼び込みに2回も出会った。たった一度通っただけで、10人に捕まった。路上に(おそらくは)店の女性もかなりの人数が並んでおり、仕事が目的でなく日本人を捕まえることが目的のような勢いがある。

試しにいくらか聞いてみると、額は忘れたが、その時間で飲み放題というではないか。支払いまで日本スタイルなのだ。女の子も一人までは選べるそうで、持ち帰りもOK、いやむしろ推奨している。全ての店は、日本人による日本人のために作られた健全なカラオケ店なのだそうだ。彼らが言うには、パッポンはオカマが多いから、タニヤで飲んでくださいという不思議な論理を展開していた。

パッポンは想像以上に混沌としていた。客のターゲット層が全くもって理解不能である。大人から子供まで、男も女も買いそうなものがミックスされて並んでいる。道路中央とその両脇にびっしりと露店が並び、バッグ、時計、おもちゃ、化粧品、民芸品、食料品、書籍、DVD、衣服、などが販売されている。特徴的なのが、呼び込みに加えて、エロDVDという紙をラミネートされたものを持っている輩がかなり多く徘徊し、通りかかると腕を掴んでくる馬鹿者もいる。私は丁寧にShit!を連呼し何度も追い払った。

私の友人K氏はシーロム通りに宿をとったそうであるが、パッポンが好きになれなかったとの証言通り、なんとなく嫌な予感がした。私は例の如くHPのお告げ通りにKing‘s Castle1へ入った。すると、女性の質は明らかにナナプラザの最低レベルと同等であった。以前はレベルが高かったかもしれないが、私が見た時には全員がペイバー許容範囲を超えていた。客も少なく、隣の2人組みの日本人はサル顔を呼びよせて「一緒に飲もーよ!」と日本語で言った。もしかしたら、女性が断る選択肢が用意されているのはないかと思える発言であった。他の白人客を見ても、なぜかサル顔を隣に座らせて楽しそうに談笑している。これは、もしかしたら、サル専?なのではないかと思える光景であった。

気を取り直して、隣のKing‘s Castle2へ入った。入り口には大勢の女性達が出迎えをしてくれた。先程よりはましな女性が多いが、しかし、ペイバーレベルにはほど遠い。女性の過剰供給のため、とにかく周りに座って客に絡んでくる女性が多い。私の座った席の両脇にもびっしりと座っており、右を見て、左を見て、更にはステージを見るが、時間の経過と共に私の頭の中は失望感で支配されていった。しかし、全く理解できないのであるが、不思議なことに大盛況なのである。

どちらの店もドリンクが安く、ハイネケンが100Bであることだけは理解できたのであるが、客は酒などどうでもよく、女の質が重要なのだ。隣のサル女は私に絡んできてドリンクを奢れと言った。私が断ると、左のこれまたデブ女がねっとりと絡んできてドリンクを奢れと言った。私はブス専ではないので早々に店を後にしたのは言うまでもない。付け加えておくが、King‘s Castle1、King‘s Castle2共にビキニを着てステップを踏んでいるだけである。

わいい子はペイバーされていたのかもしれないが、噂の通りパッポンは「G-DIARY9月号」の「変わらぬ低レベルに完全失望」の通りの展開となった。私は、K氏のお告げの通りパッポンが嫌いになった。たった2件を見て通りを2、3回歩いただけであるが、嫌いになった。好き嫌いばかりはどうしようもない。その足で私は噂のソイ・カウボーイへと向かった。

■ソイ・カウボーイ

ソイ・カウボーイの通りを初めて見た印象は、やはり終末感が漂っているということである。ナナやパッポンと比較すると全体的に勢いがないのだ。通りには写真の通りに象さんを連れて餌を売っているおじさんがいて、客からもらった餌を美味しそうにむしゃむしゃ食べている。

私はまず、SHARKへと入ってみた。ナナやパッポンと同様にポールの近くで女性がステップを踏んでいるが、驚いたことにトップレスである。そして、至る所にセックス専門女性が客を狙っており、ドリンクをねだってくる。私はパイバー許容範囲の女性に憑依されたが、英語も日本語もほとんど話せないのでコミュニケーションが全くといっていいほど取れなかった。トップレスレディは、残念ながらレベルは低い。もしかしたらと思い、店を出てDejavをちょっと覗いてみた。すると、やはりトップレスである。この街では基本は裸なのであった。

私はK氏が入ったというRaw Hideへと入店した。すると、入り口付近で二人の女性が裸で踊っていた。ぶくぶく発生する泡を絡めながらエロティシズムを追及する姿は、美人でもブスでもデブはダメだが素晴らしい。これからショータイムですとウエイトレスは言った。ステージではなんと、女性全員が黒ぶち眼鏡を斜めに掛けて、下半身には尻のラインが出る黒のタイトスカートを履いて踊っているではないか。そして、稀にかわいい女性もいる。

どう考えても経営に日本人が絡んでいるとしか思えないシチュエーションであった。時間の経過と共にブラを外し、スカートを脱いで、最後はパンツを脱いで全裸になった。彼女達が去ると二人の女性が現れ、上下の下着の上にすけすけの衣をまとい、中央にイスを置いてイスに絡んでスケベなポーズを繰り返す。非常に残念なことにブスが多いのであるが、しかし、生き残りを掛けた経営戦略を魅せつけられた気がした。面白いことに、ほとんどの客が白人おじさん達である。彼等はこの新しいエロ概念に満足しているようで、私が店を出るまでほとんどの客はずっとこの店で楽しんでいたのだ。

二つ隣のLong GunはRaw Hideと共に呼び込みがいない。しかし、入店すると席がほとんど埋まっていて大盛況である。こちらも客層は白人おじさんが大半を占めていた。入店と同時に全員裸の女性達がステージで踊っている姿が飛び込んでくる。これまた、ブスが多いが系統が違う。火をつけたローソクを振り回したり、あそこを見せてチップを要求したり曲芸系である。更には、ステージのポールの上に風船5、6個を固定して、2人の女性が性器に吹き矢を挿入して順番に割っていった。ここまでいくとあっぱれである。私は女性の質などどうでもよくなって、その曲芸を堪能した。

ソイ・カウボーイの通りを初めて見たときバイブルの記事と同様に、閉鎖は時間の問題と思われた。しかし、店の中を探索すると、そうならないための努力を、経営戦略を見たように思う。女性達がステップを踏んでいるだけでなく、踊りを見せようとするその努力は、ナナやパッポンでは見られなかったことである。更には、練習が必要であろう難しい種類の踊りも見ることができた。ソイ・カウボーイから感じるエネルギーはものすごいものであり、私は、年内閉鎖はないのではないかと感じた。いや、そう願いたいものである。

話を戻して、Long Gunで私がステージを見てケラケラ笑っていると、この店にしては珍しく美人の女性がコーラを奢ってくれと言っていた。覚えやすい名前なので覚えているがオーイというスケベな名前であった。出身はイサーンであり、かなり痩せており服の上からでもスタイルがよいことが推察された。また、彼女は色黒であるが、顔は非常にオリエンタルであり、かわいいというよりも綺麗な顔をしていた。今日が初めての出勤でありよくわからないという。なんども突き詰めて聞き出すと、彼女はタニヤにいたそうで日本語が少し話すことができた。

彼女の友達が私の隣のファランについていたがサル顔であった。オーイは日本人が好きで、その友達はファラン専門なのだそうだ。当然ホテルの場所を聞いてきて一緒に行きたいといってきた。時間も1時を過ぎていたのでOKすると半ズボンに着替えてきたが足のラインはパーフェクトであった。そして、私はこの店でNo.1なのだと言った。今日来たばかりでNo.1とは面白い話であった。しかし、他を見ても彼女よりも美人は見当たらなかったので、初出勤が嘘だと理解するに至った。タクシーを拾うエリアまで一緒に歩いていくと、初出勤の彼女に知り合いが何人も声を掛けてくるのが面白い。

ホテルに戻り例の如く400B支払った。彼女はこのホテルは初めてだと言って、エレベータのカラフル模様や、ロビーの構成や、部屋の中まで綺麗を連発していた。私は洗面所に出没し、どうやってもいなくならない小さなハエのような昆虫を見せ、いたるところに現れる小さな蟻を見せ、汚れたカーペットを指差し、これは決して綺麗などではないと主張した。シャワーを浴びて戻ってきた彼女はパイパンだった。しかも、中途半端に生えてきているところなど、私の無精鬚といい勝負である。これまでパーフェクトであった容姿であるが欠点もあった。乳首が黒く乳輪が大きいのだ。私はこれまで彼女は日焼けによって黒いのだと思っていたが、乳首を見たときにそうでないことを確信した。

私は性懲りもなく薬を飲んでいた。私の性器を見せろというが、残念ながらバンコクで見かけるやる気のない犬のように、だらりと私の太ももに這いつくばっている。彼女はなぜか自分はスケベなのだと言った。そして、乳房を私の胸の上に押し付け、全身を押し付けて私の顔を見ながら色っぽい顔をした。この行為の間中私から目を離そうとしない。俗に言うセクシーショーのような行為を繰り返す。昔、六本木にあった(今もあるかもしれないが)セブンス・ヘブンのステージ上の女性や、害パブで見ることができるプライベートダンスのような演出である。ちなみに、これらのダンスは誰かが一人に対して8,000円程度を支払っているのだ。それが、ソイ・ボーイではタダで全員が裸だったりするのだ。もちろん、見たくない女性も含まれてはいるが。

彼女は私に全身を押し付けたマッサージでセクシーショーを演じている。半端なパイパンのため私の性器周辺にじょりじょりという感触が伝わってくる。終いには一本一本が私の肌に刺さるのではないかというくらい痛みが増してくる。私は彼女にマッサージは終了だというと、乳首やら玉袋やらを口に含んできた。そして最後に私の竿を持ってコンドームと言った。私がストロベリーは好きかと言ってコンドームを差し出すとケラケラと笑い出した。そして赤いゴムが装着された私の性器を丹念に愛撫した。

セックスと言って私に跨り自分から挿入した。彼女は、最初はゆっくりと入り口付近で出し入れし、突然すごい勢いで奥まで挿入する。これを何度か繰り返したが、勢いが物凄く不覚にも私が痛いのであった。正上位でも私が入り口付近で遊んでいると、私の尻を後ろからつかんで自分の性器を押し付け奥へと導くのであった。その際、彼女は顔色一つ変えずにあのセクシー顔を保持しているのだ。感じる気配は全く見られない。ObsessionのLBが女性の性器は狭いけど、LBのものは緩いのだという言葉を思い出した。もしかすると彼女はLBなのだろうか?いや、れっきとした不感症女に何度も遭遇してきた。単に経験豊富なだけだろう。仮に、あなたはLBかと聞いたところで、そうであるにしろないにしろどこにも行き着かないのだ。

ドギーも試してみた。しかし、私の想像通りに乳首と肛門の色は同じだった。パイパン痩せ型色黒女を後ろから犯すわけであるが、やはりどの体位でも感じることはないようだ。しかし、これまで幾度となく見てきた潤滑ローションはやはり使わないのだ。持っているかすら分からない。私は後ろから見たアングルが最高に好きなので、若い頃は美人をドギーで攻めると、非常に感じてしまっていた。しかし、最近は歳をとったせいなのか、見慣れたしまったせいなのか、原因が不明であるがそれほど興奮することがなくなってしまった。しかし、このアングルは間違いなく私の求めていたアングルであり間違いなく興奮ものである。しかし、なぜか逝けない。

彼女は雄雌を接合させたまま、私の尻をつかせて彼女は四つんばいのまま動かし始めた。彼女達は必殺技を常日頃から開発しているのだろう。仕込まれているのかもしれない。しかし、なすがままの状態で彼女達のサービスを見ていると勉強になる。ピンポイントで感じる場所を探索して、逝かせるのがうまい女もいれば、あれよこれよと必殺技を駆使してくるが全く痒いところに手が届いていないタイプもいる。そんなオーイは中間のタイプである。時に感じるポイントをうまく攻めることができるのだ。

彼女は再三再四、エロ顔を作りあくまでセクシーを演出していかせようと試みた。間違いなく彼女の顔はセクシーであった。しかし、私にとってはセクシーポーズよりも、相手が感じているときに、より感じることができるのだ。例えば昨日のオンちゃんのように感じると興奮する。私を見ながら逝ってしまうところなど最高に興奮する。本気の感じ方に反応するよう遺伝子にプログラムされているのだ。彼女には私にとって大事な要素が欠落していた。

最後には、正上位に戻ったときに彼女がこれまでにない激しい動きを連続してきたのでなんとか逝くことができた。これがバンコク初の射精であった。満足かと聞かれれば満足である。なぜなら、もろもろのシチュエーションを総合判断するとかなりのハイレベルであることに違いはないのだから。コストパフォーマンスを考えると最高点である。

私は今回始めて訪泰した。東南アジアも初めてかもしれない。遺産など大好き人間であるが、日本で食するアジア料理が好きになれなかったのも一つの要因である。ベトナム料理にしろ、タイ料理にしろ、辛いことよりも香辛料の匂いが苦手であった。これに対してロシア料理は基本的に匂いも辛さもマイルドで大好きなのである。同様に欧州の料理もやたらとオリーブオイルを使い、ピクルスなんて入れたりしてやはり苦手意識が強いものもあった。しかし、実際に訪問し現地の本物の料理を食してみると、別物であること知ったのだ。

ピクルスなどはアクセントに少量使用するもので非常に香りがよい。本物のオリーブオイルはパンに付けても美味しい。というわけでタイ料理である。やはり、国内のあるレストランで食したトム・ヤン・クンは、食物であるのか疑わしいものだった。異臭を放っている生ゴミなのではないかと思ったほどだ。しかし、ここで食した料理はやはり違っていた。私は3日連続、レストランでトム・ヤン・クンを食したが、店による微妙な違いも分かったし香辛料の配合が絶妙であった。パクチーをアクセントにした海鮮料理など最高である。

何が言いたいのかというと、タイ料理は美味しい。しかし、香辛料を多用しているのが問題である。パクチーやらハッカクやらニンニクやら強烈な匂いで味をまとめてひとつの料理を形成している。おいしいが、これを食べるとどうなるか想像していただきたい。餃子なんて赤子のようである。自分が強烈な口臭を発しているのが分かるのだ。そして本題であるが、現地の人々も当然現地の食料を食している。ということは、どんなに綺麗な美人をゲットしても息が強烈な可能性が高いのだ。

幸いなことに、オンちゃんはそうではなかった。しかし、本日合間見えたオーイ様、超ハイレベルのLBも近くで会話を交わしたとき強烈な匂いが私の鼻を刺激した。同時に、毎日タイ料理を食していた私も彼女?達に強烈な異臭を放っていたに違いない。気がついてからというもの、牛乳をよく飲むようになった。想像以上に強烈なので単なる気休め程度にしかならないが。

私とオーイは十分に正々堂々とプレイした。お互いに強烈な息を吹きかけあったことなどほんの些細なことに違いない。初射精をするに至ったことを考えると、臭いに反応し性器がお辞儀をしてしまったことなど忘れてしまうに違いない、もう遠い昔の話である。きっと。

■詐欺師事情

ある日、バンコクからアユタヤへ行くためにモーチット(北バスターミナル)へ向かった。タクシーの運ちゃんは宿を予約していないなら泊まれないと頑なに主張した。日帰りで案内したいためである。私が宿泊したバイヨークブティックは最寄のETC駅がチットロム、パタヤイであるが何れも歩いていくにはかなりのり労力が必要である。従って、パッポンへ行くのにも、ナナエンターテイメントへ行くのにもタクシーを使わざるを得ない。当然、寺巡りも同じようなものだ。

基本的に私が手を挙げて止まった車の5割以上はボッタクリである。慢性渋滞があるためワット・プラケオなどチャオプラヤー川まで行くとメーターで80B程度になる。距離にしてその7割程度であるパッポンを聞くと150Bとか200Bと平気で言うのだ。私はパッポンへ行くために5台もタクシーを止めた。メータータクシーにもかかわらず値段を交渉するのだから不可解である。運良く値段を交渉しないタクシーが見つかっても、何しに行くのか、マッサージは必要ないか、なぜ食事に行くのかなど、延々と意味不明の英語で質問を繰り返すことが常である。

そんな背景があって、ホテルが手配しタクシーにもかかわらず200Bだと言ったため、大声をだして、おまえは、俺が支持した場所に行くだけでよい!と怒鳴りつけた。運ちゃんはビックリしたようでタクシーを止めてしまった。おまえにやるチップはナッシングだ!とたたみかけ、嫌なら今すぐ降ろせ!クソ!と続けた。彼は、私は英語がうまくないからうまく説明できないだけなんだというようなニュアンスのことを言って走り出した。

しかし、またもやアユタヤに宿はないと続けた。悪気はないのかもしれないが、染み付いている腐敗した根性には頭が下がる。パタヤからの帰りにモーチットからバイヨークブティックまでメータータクシーに乗ったら105Bであった。渋滞の中延々と走り続けたが、この運ちゃんは詐欺行為を全く働かなかったため200Bを渡した。運ちゃんは何度もありがとうといっていた。

ある日、プラトゥーナム広場に面するインドラ・リージェントというホテルの前で、ワット・トライミットへ行きたいと交渉すると、2台連続で300Bといわれた。よーく考えてみると、先日も下半分が緑で上半分が黄色のメータータクシーは同じようなことを言っていた。そこで、ピンクのタクシーに声をかけると値段交渉をしないで走り出した。帰りはオレンジのタクシーでこれまた本当のメータータクシーであった。街には黄色半分緑半分のメータータクシーが氾濫しているが、基本はボッタクリである。ところで、ピンクのタクシーに乗り、私が一生懸命チャオプラヤー2を観察していると、何を見ているのか?と聞いてきた。

チャオ2だと答えると笑った。そして、J-ONEをこれまた観察すると、タイの女はいいだろう、と言ってきた。そして、バイブルを見せると食い入るように店の名前を確認していた。後ろからクラクションを鳴らされるまで車を動かそうとしなかった。そして、彼は最近モナリザに行ったらしく、No.1でお勧めだと言っていた。パタヤの話をすると、やはりサバイディーを知っていた。エロは国境を越えるのだと痛感した次第である。

トゥクトゥクは詐欺の最高峰である。ありえない価格の50Bで寺巡りをOKした後で、ジュエリーショップへ連れて行きたいという。しつこく追求すると店に客を連れて行けばタダでガソリンが給油できるらしいのだ。とりあえず、破格であるから一度は付き合うとして何も買わずに店を後にした。次にワット・ベンチャマポビットへ行き見学した後、私が指定していない場所を2箇所地図に記しを付けて連れて行きたいというのだ。時間もあるので見るだけ見ようと考えOKした。

運ちゃんはこの地図をもって行ってよいと、大きな地図を私に渡した。歩いていくと、幼稚園のような施設の隣にワットポーの1/5程度の大きな大仏が寝転がっていた。私が写真を撮ると監視員が撮ってはいけないといってきた。そして近くにいた観光客が私に話しかけた。どうやってこの場所を知ったのか?と。そういえば外国人観光客などいやしない。

トゥクトゥクだと答えると、一体幾ら払ったのかと聞いてくる。50Bだけど高いのかと聞くと、良心的な値段だと返すわけだ。そして、これから何処へ行くのかと聞くのでこの地図の場所だと答えると、カシミヤのスーツが安く買える店で、基本は輸出ビジネスだが1年間でたった7日間だけオープンする。今、バンコクにいるあなたはこの機会を逃すべきではないというのだ。昨日その店で買い物をして、このメンバーシップカードをゲットしたと30%オフのカードを私に見せた。ここでお分かりの通り、彼等はグルなのである。この洋服店が素晴らしいと説明させるために運ちゃんは私に地図を渡したのだ。

私は知らぬ顔でお礼を言って、トゥクトゥクへと戻った。そして、運ちゃんはカモ(私)を乗せて一生懸命、洋服店へと向かうのであった。店は一流ブランド店のような華やかさの微塵も見られなかった。一流ブランド店へ輸出しており特別の1週間などと言っている店が、なぜゆえこの佇まいなのであろうか?外見がパキスタン人の店員は一生懸命、この一週間を逃してはいけないと連呼した。ファッション雑誌の一流ブランド品の写真と定価を見せて20万円がたったの5万円でゲットできるのだと主張した。私は必死に笑いを堪えた。とにかく堪えた。この馬鹿丸出しはカモに向かって延々と嘘のお得情報をインプットしてくる。単純な問題として、どんな人間が南国で5万円のカシミヤのコートを買うのであろうか?

試しにその30%オフのカードだけタダでくれと私は主張した。すると、5万円以上購入しないと渡せないという。ネクタイはいくらかと聞いた。するとこれはシルクで1000Bという。外見からはカシミヤもシルクも全く本物と違わないように見える。しかし、偽者天国のこの国で信じろといわれても、仮に本物だとしても嘘だと思うのが我々日本人であると思う。街には偽者が氾濫し違いを判断するのは難しい。今や、女性でさえ偽者が氾濫しているというのに、見分けることさえ出来ない精巧な、本物をも凌ぐLBも存在するのに、見て判断することなんてできるはずがない。

彼等にしてみれば5万円は本当に大金に違いない、それゆえ用意周到な手口であったと思う。私はスーツもコートも要らないといって店を出た。彼は次なる手段として、ワット・プラケオまでのクルージングを用意してくれていた。1時間で到達するという。値段を聞くと1,500Bなのだそうだ。だんだん面倒になってきた私は20Bを3枚渡して、Shit!と丁寧にお礼を言ってお引取りいただいた。

ワット・プラケオの入り口にはクルージングの詐欺師が待ち構えており、隣の公園にはハトの餌を投げ付けてくる馬鹿者にも遭遇した。しかし、これだけ詐欺師が氾濫しているがたった数百円のために日夜詐欺を狙っているものたちは、決して裕福にはなれない。しかし、この詐欺師の多さを見ると、彼らにとっては一番効率的に生活費を入手できる方法なのかもしれない。

アユタヤにバスで到着すると、例の如くトゥクトゥクが待ち構えていた。500Bの安宿を紹介いただき、40Bで送迎いただいたことを付け加えておく。ちなみに、アユタヤのトゥクトゥクのおじさんは私のガイドブックの値段を見せてくれといってきて、その値段でOKだと良心的なことを言った。

時間をオーバーしても金の話は一切しない、そしてサービスでレストランまで送ってくれた。私は最後に追加のチップを渡してお礼を言った。アユタヤはトゥクトゥクなしで移動することは出来ない大きな街だ。ここで詐欺師にあわなかったのがせめてもの救いであろう。


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