第1428回 いきり立ったが吉日・2008 〜復活〜(旅立ち〜一日目) by ECE
2008年5月

人間失格

「君、この病院まで歩いてきたの?」

「はぁ、若干辛かったですけど」

「よく歩いて来られたね」

「……」

「一体、どのくらい飲んだんだ。生きているのが不思議な数字だよ。γ‐GTPが1600だなんて。悪いけど入院してもらいますよ」

 忘れもしない1年前の4月5日のことだ。小生はアルコール中毒で入院することになった。全治3ケ月だ。その時、頭をよぎったのは、今年の夏は、バンコク行きは無理だなと。 「いきり立てない」な……。

それから小生は2つの禁断症状に悩まされた。ひとつは酒に、もうひとつはバンコクに、だ。退院したらバンコクに行きたい。ゴーゴーバーで社長と呼ばれたい。ナナプラザの屋台でハンバーガーが食べたい。パクチー抜きにしたい。バイタクにも乗りたい。

酒の禁断症状は3日で治まった。セルシンをひたすら飲み続けていたのだ。ただ、バンコクへの禁断症状は何日経っても消えることはなかった。

走れエロス

 この1年で小生を取り囲む環境がガラリと変わった。9年勤めた会社を退社し、良く言えばヘッドハンティングされて、今年の1月から新しい職場へと変更になった。当然、年収はアップし、プロデューサーとして迎えられた。その変わり、今までのようなヤリたい放題のような環境ではなくなってしまった。

ましてや、入社したばかりで有給をとり、バンコクに行くなど言語道断だ。  そこで、小生はゴールデンウィークまで我慢した。それこそ徹夜をしたし、休日出勤もして、我慢に我慢を重ねて、我慢汁にまみれた。

 出国は5月3日(祝)と定め、帰国は平日だったが5月7日の朝6時半に成田に到着する。その足で会社に向かえば、何とか間に合いそうだ。  ただ、我慢汁にまみれた小生に4泊5日は短すぎる。小生は今まで、世間体や出世、年収のこと、老後への不安など、現在の日本社会が抱える様々な問題に備えてきたつもりだった。

その反面、それらの問題が全てうっとうしく思い、一念勃起、いや、一念発起して世界中を旅してまわろうと考えていた。学生時代に読んだ『深夜特急』をやってみたかったのだ。  そこで小生は辞表を書いて、会社のデスクの引き出しにしまった。もし帰国しなかったら、国際電話をかけて遠隔操作で辞表を提出しようとしていたのである。

 旅の計画はこうだ。まずバンコクに行き、その後、空路でカルカッタに行き、ベナレスへと移動する。何でもベナレスを流れるガンジス河で身を清めた人間は過去の全ての罪が洗い流されるそうだ。身を清めた小生は、また空路でテヘランへと移動し、そこからは陸路でイスタンブールからアテネ、フェリーでエジプトを旅した後、一度イタリアへと戻り、そのまま北上してパリ、アムステルダムからスペイン、ポルトガルを回った後、フェリーでニューヨークを目指す計画だった。

何ケ月かかるかわからない。いくらかかるかもわからない。ただ、全てを捨ててスーツという名の重い鎧を脱ぎ捨てたかったのだ。  この旅の計画を事前に話したのは2人だけだ。ソウルメイトのチコ氏と転職してから新たに仕事のパートナーになった今井氏だけだ。いや、今井氏とは仕事のパートナーを通り越して、小生の数少ないソウルメイトの1人だ。

転職して唯一良かったと思ったのは、年収が上がったことでも何でもなく、今井氏に出会えたことだ。親友が一人増えた感覚だ。この今井氏とは出会って、まだ半年も経ってないが毎週毎週、無頼をやった。酒を飲んでの立ち振る舞い、飲みすぎて倒れてまでの寝言まで、存在自体が詩作品のようなそげた美しさを孕んでいた。

今井氏も小生を認めてくれていたと思う。そうでなければ、泥酔した今井氏が小生のワンルームに遊びに来て、デリヘル嬢を2人を呼んで、4Pなんかはしなかったと思う。  そして今井氏は小生の旅の計画を反対した。オレを置いて行くなと、酔っ払いながら何度も懇願していた。そして、彼はある計画へと出る。それは、出発前夜だった。

 タイ国際航空TG641便。成田を午前11時にフライトである。小生は7時半の成田エキスプレスのチケットを用意すると、寝坊しないように早めに寝ようとしたのだが、その時、携帯は鳴った。通知には今井氏の名前が出ている。今から飲もうということだ。小生は明日は朝早いからと一度断ると、今井氏が小生の住んでいる街までタクシーで向かうというではないか。そこまでされて断れるかい。今井ちゃんと飲む酒は飛び切りウ・マ・イ。

軽く一杯のつもりでやって、いつの間にやらハシゴ酒! 気がついたら朝5時。起きたら10時半。飛行機11時。やられた。今井ちゃんにハメられた、と思いながらも、タイ国際航空にソッコーで電話。すると、3万円の追加料金を払えば、特別に4時の便に振り替えてあげるとのこと。この時はタイ国際航空はやさしいって、チワワを見つめるような目でサワディーカップ。

ここで小生の特技二度寝をするといけないので、成田エキスプレスを買いなおして、第1ターミナルへ。遅れない代わりに早く着きすぎたよ。だからさ、やっちゃったわけよ。迎え酒を。洒落たアイリッシュバーで、まずはギネスビール。続いてジャックダニエルのソーダ割り。

そしたら隣に座ってたアメリカ人と意気投合。陽気になったアメリカンと酌み交わす杯。部活が終わった運動部の学生が蛇口を取り合うようにジャックソーダは飲んでも飲んでも、乾きが癒えることはなかった。  搭乗時間の頃にはベロベロに酔っ払っていた。さすがアル中だ。そこで小生はやってしまったんだよな。往年の松本を思い出させるヘッドスライディング。だってベロベロだったんだもん。

足にきてたんだよな。それを見たタイ国際空港の職員が小生を飛行機に乗せないと言ってきやがったんだな。まるで、小生の酒癖の悪さを知ってかのようにね。  それで小生、キレちゃったよ。本当なら今頃バンコクの地を踏んでいるはずが、寝坊するわ、飛行機にはのせてくれないわでね。それで散々とタイ国際航空の職員に暴言を吐いたら、小生、タイ国際航空出入り禁止。しかも、もうタイに行く飛行機はないからと空港をほっぽり出されて、ジ・エンド!!

 しょうがないからタクシーで空港近くのホテルまで行ってもらって、1泊。おいおい、いつになったらバンコクの地を踏めるんだよ!!  翌朝、目が覚めると10時半。確かモーニングコールは6時にしといたハズだが。もう出鼻をくじかれたな。これで、何度目よ。  タクシーを拾って、成田空国に再び空港のタイ国際航空に向かった小生に痛烈なお言葉「あなたは、昨日泥酔し、職員に対して散々暴言を吐いた。もうあなたはタイ国際航空にふさわしいお客様ではない」と……。上等だよ。バンコクに向かう飛行機はお前らだけじゃないんだからな!!

 自力で何とかしてやるよ、と「いきり立ち」、JALのカウンターに向かった。バンコク行きで一番早いチケットを1枚くれと。JALカウンターの職員は空席ならばあるが、正規料金になるので23万円だと言ってきた。もう金ならいくらも惜しくない。本来ならば、もうゴーゴーバーで1人ペイバーしてるはずだ。しかもゴールデンウィークを利用しての旅だ。

1日でも、もったいない。金で解決できる話なら、金で解決してやろうじゃないか。小生は200万円ほど入った財布から23万をとりだし、職員に手渡すと、「現金でお支払いになる方は珍しいですよ」だってさ。当たり前だろ、この金を持って世界中を旅する予定だったんだからさ。

 さて、夕方の便をJALでようやくゲットできた小生。時間を無駄に持て余す。そういえば、エアチケットを正規料金で購入した小生に、本来ならファーストクラスかビジネスクラスしか利用できない空港のラウンジの使用許可を出してくれていた。試しに、小生が入ってみると、これがまたVIP気分。酒飲み放題!! アル中の小生には天国みたいな場所さ。

 結局、この日も搭乗ギリギリまで酒を煽って、いよいよ搭乗口へ。そこからあんまり記憶がないんだけどさ、どうやら昨日タイ国際航空のように、泥酔した小生を飛行機へ乗せないと言ってるではないか。頼むよ、23万のエアチケット買いなおしてるんだからさ。いや、金のことなんてどうでもいいよ。本来ならば、もうとっくにバンコクに到着してるんだから、これ以上小生を成田で寸止めするのは止めてくれよ、と必死に懇願する小生にJALは1つだけ搭乗の条件をだしてきた。

それは機内では一切アルコールを出さないという事だった。どうしてもバンコクに行きたい小生。その条件を快諾すると、ようやく機内へ。  はっきり言って、飛行機に乗るのにこんなに手こずるとは思わなかったよ。まだ、身体中からアルコールの抜けきらない小生を乗せて、飛行機はようやく飛んだ。

 初めてのスワナプーン空港。あまりに綺麗すぎる。少し味気ない気もしたが、感傷に浸っている場合ではない。もう小生は1日無駄にしている。この旅をバンコクで終わらすか、それとも世界を1周して帰ってくるかは別として、現状課題としては少しでも早く小生の大好きなナナプラザに行くことである。空港で白タクを捕まえると、時計は夜の9時を指している。今回の旅はナナホテルが取れなかった。特別綺麗でもなく、大して高級感もないホテルが満室になるなんて、一体どれほどの外道がこの世にいるんだよ。

 そこで小生はスクンビットのソイ11と13の間にあるアンバサダーを予約したのだが、でかい。ナナホテルの3倍くらいある。下手したらホテル内で迷子になりそうだ。荷物を降ろして、日本の春服からバンコク仕様の夏服へと着替え、ハミガキを終わらすと、小生の大遊戯場ナナプラザへと向かった。

 行くのは勿論G−SPOT。別にとりたててカワイイ娘がいるわけじゃないが、毎年、毎年首をなが〜くして小生をまってくれている店だ。  今年も小生のことを覚えててくれたよ。アノDJがね。すぐにDJブースの前に陣取り、機内では一切出されることが無かったアルコールを全身に注入したよ。胃の府のところにパッとバラが咲いたみたいだ。心も身体も熱くなる。とりあえず、DJにチップを500バーツ渡すと、小生の好きな曲がメドレーになって鳴り響き、DJが小生に手紙を渡してきた。

差出人はチコだ。今回の旅はチコとは日程が合わなかったので、先にチコがバンコク入りし、それを小生が追っかけることになっていたのだが、完全に入れ違いになっていた。そこでチコは小生が必ず来るであろうG−SPOTに置手紙をしておいてくれたのである。アノG−SPOTのDJだけはチコと小生のことは絶対に忘れないんだな。一緒に旅しなくたって、チコの足跡が手に取るようにわかった。

 酒を飲んですっかり調子にのった小生は例年の如く、ゴーゴーギャルやウエイトレスやDJやわけの分からない連中にまで、とにかく酒を振舞った。また、2年前にはなかったピンポン球のショーがあった。これは1000バーツで籠一杯のピンポン球を買って、そこらに撒き散らすという単純明快なシステムだったが、これが面白いのなんのって。

ピンポン球を拾った女の子はレジに持っていけばバックがあるらしい。よって小生の投げるピンポン球に群がる女達は地獄絵図のごとく、必死の形相で小生が投げるのを待っている。酔っ払った小生はとにかく片手にジャックソーダ、もう片手にはピンポン球をにぎり、飲んでは投げて、投げては飲んだ。

 そこにね、G−SPOTには珍しい綺麗な女の子がいたんだよ。もうスタイル抜群で、黒いロングヘアーがとっても美しい子さ。小生、コンマ2秒ペイバー決定さ。結局いくら使ったか覚えてないけど、もう世界1周は無理目な金額だったと思うよ。

だって、今回も店の奥から支配人やらママやら偉そうな人が出てきて小生に挨拶してったんだからさ。  さて、ペイバーした娘をホテルに連れて帰ると、なんとジョイナーフィー1000バーツ。

ピンポン球の1000バーツは安くても、ジョイナーフィー1000バーツはやたら高く感じたよ。

 それから部屋に入って、2人でお風呂に入って、旅の疲れを癒してくれたよ。ただ、癒されすぎて、アッチの方までぐったりだったけどさ。

わざわざロングでペイバーする必要なかったんじゃないかって? それは大きな間違いだよ。

小生、対外受精だってできるんだからね。


格安! 海外風俗旅行のお供に!


■ 海外で 一緒に遊ぶ友達を探してます! 友達募集BBS

■ 海外風俗の質問は 質問BBSで!


北米フィリピン南米タイランドカンボジア韓国 中国ヨーロッパ
インドネシア ベトナムシンガポール香港.マカオ アジアロシアその他